ペル「VPNがつながらない」「社内ネットワークに接続できない」──そんな状況に困っていませんか?
この記事で分かること|auひかりでVPNが接続できないときの原因と対処法
- VPNが接続できない主な原因(IPv6・ポート制限・設定ミス)を理解できる
- auひかりでVPNを安定して利用するための設定方法を学べる
- 法人・テレワーク環境でのVPN安定化ポイントを確認できる
この記事では、auひかりでVPNが接続できない・切れるときの原因と対策をわかりやすく解説します。設定の見直しで多くのケースは改善可能です。
第1章|VPNがつながらない主な原因



会社のVPNに全然つながらなくて困ってるんだ。auひかりの回線なんだけど、何か特別な原因があるのかな?



あるね。auひかりでVPNがつながらないケースは意外と多いよ。特に「IPv6接続」を使っている人が多くて、VPNの通信方式と相性が悪いことが原因なんだ。



IPv6ってよく聞くけど、VPNとどんな関係があるの?



実はVPNには「PPTP」「L2TP/IPsec」「OpenVPN」「WireGuard」などの方式があるんだけど、IPv6(IPoE方式)では一部の通信が通らないことがあるんだ。これはプロバイダ側がセキュリティの観点で特定のポート通信を制限しているからなんだよ。
VPN接続ができない主な原因一覧
| 原因 | 内容 | 対処法 |
|---|---|---|
| IPv6通信の制限 | IPoE方式ではPPTPやL2TPなど一部のVPN通信がブロックされる | IPv4(PPPoE)接続に切り替える |
| ポート番号の制限 | ルーターやプロバイダでVPN通信ポートが閉じている | ルーター設定でVPN用ポートを開放する |
| ルーターのVPN非対応 | 古い機種ではVPNパススルー機能がない場合がある | VPN対応ルーターに買い替える |
| セキュリティソフトの干渉 | ファイアウォールがVPN通信を遮断している | 一時的にセキュリティソフトを無効化して確認 |
IPv6が原因のケースが最も多い
auひかりは標準でIPv6(IPoE方式)を採用しているため、VPN方式によっては通信が遮断されることがあります。特にL2TP/IPsecを使用している企業VPNでは、IPv6のままだと接続できないケースが多いです。
✅ ポイント: VPNがつながらない場合、まずは「IPv4(PPPoE)」接続へ切り替えて動作を確認しましょう。IPv6環境ではVPN通信が制限されていることが多いため、設定変更だけで解決するケースもあります。
また、ルーターが古い場合はVPNパススルー機能が搭載されていないこともあります。メーカー公式サイトで対応可否を確認しておくと安心です。
第2章|auひかりでVPNを利用するための基本設定



なるほど、IPv6が原因になることが多いのか。じゃあ実際にどうやってVPNを使えるように設定すればいいの?



基本的な流れはシンプルだよ。まず自分の回線がIPv6なのかIPv4なのかを確認して、VPNに適した通信方式(IPv4/PPPoE)へ切り替えること。それからルーターの「VPNパススルー」を有効にして、必要なポートを開放すればOK。
VPN利用前に確認すべき3つの項目
- 通信方式:IPv4(PPPoE)になっているか
- VPNパススルー機能:有効になっているか
- ポート開放設定:VPN通信に必要なポートがブロックされていないか
ルーター設定画面で確認する基本項目
| 項目 | 設定箇所 | 推奨設定 |
|---|---|---|
| VPNパススルー | 詳細設定 → VPN設定 | 「有効」にする |
| 接続方式 | インターネット設定 → 接続タイプ | PPPoE(IPv4)を選択 |
| ポート設定 | NAT設定 → ポートマッピング | L2TP/IPsec用の500・4500番を開放 |
IPv4(PPPoE)接続への切り替え手順
auひかりでVPNを安定させるには、IPv4(PPPoE)接続を利用するのが基本です。設定方法は以下の通りです。
- プロバイダから発行されたPPPoE接続情報(ユーザー名・パスワード)を用意
- ルーター管理画面で「インターネット接続設定」→「PPPoE設定」を選択
- 接続情報を入力して保存
- ルーターを再起動し、接続状態を確認
⚠ 注意: IPv4接続に切り替えると、通信速度がやや低下することがあります。ただしVPNの安定性は格段に向上するため、業務利用ではIPv4が推奨されます。
VPN方式ごとの対応可否
| VPN方式 | IPv6(IPoE) | IPv4(PPPoE) |
|---|---|---|
| PPTP | ✕(通信不可) | ◯(安定接続) |
| L2TP/IPsec | △(不安定) | ◯(推奨) |
| OpenVPN | △(設定依存) | ◯(安定) |
| WireGuard | △(条件付き) | ◯(推奨) |
✅ ポイント: L2TP/IPsecやPPTPを利用する場合は、IPv4接続でなければ安定しません。特に業務でVPNを使う場合はIPv6のままでは避けた方が良いです。
第3章|IPv6環境でVPNがつながらない場合の対策



IPv4に切り替えるのが安定ってことはわかったけど、会社のネットワークがIPv6対応だから、なるべくIPv6のままで使いたいんだよね。何か対策はない?



実は、完全に無理ではないよ。IPv6のままでも設定を工夫すればVPNが動作する場合がある。ただし、対応しているVPN方式やルーター設定に注意が必要なんだ。
IPv6でVPNが動作しない主な原因と対策
| 症状 | 考えられる原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| VPN接続が認証で止まる | IPv6ネットワークでPPTP/L2TPがブロックされている | IPv4トンネルモード(PPPoE)を利用 |
| 接続は成功するが通信できない | ルーターのIPv6パケットフィルタがVPNトラフィックを遮断 | ルーター設定でフィルタ無効またはVPN通過を許可 |
| 一部の端末だけつながらない | VPNクライアントがIPv6非対応 | IPv4モードで再設定、またはIPv6対応クライアントを利用 |
IPv6対応VPNを利用する選択肢
IPv6でも安定して動作するVPN方式としては、OpenVPNやWireGuardが代表的です。これらは設定次第でIPv6通信にも対応できるため、IPv6環境を維持したい法人や開発者に向いています。
- OpenVPN: TCPポート443を使用すれば多くの制限を回避可能
- WireGuard: IPv6対応が進んでおり、軽量で高速な通信が可能
- L2TP/IPsec: 一部IPv6対応ルーターなら利用可能(但し設定要)
ルーターでIPv6トンネルを活用する方法
もしIPv6環境を維持したい場合、ルーターに搭載されている「IPv6ブリッジモード」や「デュアルスタックモード」を利用する方法があります。これによりIPv4とIPv6を併用でき、VPN通信だけIPv4経由にすることも可能です。
- ルーターの設定画面にアクセス
- 「IPv6設定」→「IPv6ブリッジモード」または「デュアルスタック」を有効化
- VPNクライアントをIPv4優先で設定
⚠ 注意: IPv6トンネルを有効にすると、プロバイダによっては通信制限が発生する場合があります。設定変更前に、契約中のプロバイダ(So-net・BIGLOBEなど)のサポート情報を確認しておきましょう。
第4章|法人・テレワーク環境でのVPN安定化設定



在宅勤務でVPNを使ってるんだけど、時間帯によって接続が不安定になるんだ。法人契約にしたほうが安定するのかな?



個人契約のauひかりでもVPNは使えるけど、業務利用なら通信の安定性・速度・セキュリティの面で法人プランが有利だね。回線混雑の影響を受けにくく、VPN通信に必要な帯域を確保できるんだ。
テレワークでVPNが不安定になる主な原因
| 現象 | 原因 | 改善策 |
|---|---|---|
| 夜間にVPNが切断される | 家庭用回線の混雑による帯域不足 | 有線LAN接続または法人回線への変更 |
| VPN速度が極端に遅い | IPv6通信の制限・プロバイダのQoS設定 | IPv4(PPPoE)接続へ切り替え |
| 接続が途中で落ちる | ルーターのVPNパススルー設定ミス | ルーター設定を「有効」にし再起動 |
法人利用に向くauひかり回線の選び方
VPNを業務で利用するなら、安定性重視の「auひかりビジネス」や、固定IP付きプランの利用を検討しましょう。固定IPを使うことで、VPNサーバーや社内ネットワークへのアクセス制限が簡単に設定できます。
- auひかり ビジネス: 法人向け帯域保証・固定IP対応
- 固定IPプラン: 自社サーバーやVPNアクセス制御が容易
- NUROアクセス for Biz: 高速通信+VPN安定性に優れる代替候補
VPN安定化のための具体的な設定ポイント
- Wi-Fiではなく有線LANで接続する
- VPNクライアントの暗号化方式をAES-128など軽量設定に変更
- ルーターのUPnP機能をOFFにして、固定ポートを使用
- 勤務時間帯をずらしてVPN接続の混雑を回避
⚠ 注意: VPNを安定化させるためにルーターの設定を変更する場合、他の機能(リモート視聴やゲーム通信など)に影響することもあります。設定変更前に現状をバックアップしておきましょう。
第5章|VPNが接続できないときの確認リスト(チェックポイント表あり)



ここまでの設定を試したけど、まだつながらない場合はどうしたらいい?どこからチェックすればいいのか分からなくて…。



そんなときは、原因を順番に絞り込むのがポイントだね。VPNがつながらないときは、回線 → ルーター → VPN設定 → 端末の順に確認していくと分かりやすいよ。
VPN接続トラブルの確認チェックリスト
| 確認項目 | チェック内容 | 改善アクション |
|---|---|---|
| ① 回線の状態 | インターネット自体につながっているか確認 | 他のサイトを開き、接続が安定しているかチェック |
| ② ルーター設定 | VPNパススルーが有効か | 設定画面でVPN機能をONにして再起動 |
| ③ 通信方式 | IPv6接続のままになっていないか | PPPoE(IPv4)に切り替える |
| ④ ポート設定 | VPN用のポート(500・4500など)が閉じていないか | ルーターのNAT設定で開放 |
| ⑤ クライアント設定 | 認証情報・サーバー名・暗号化方式が正しいか | 再入力・再設定・VPNアプリの再インストール |
| ⑥ セキュリティソフト | VPN通信をブロックしていないか | 一時的に無効化して接続確認 |
VPN接続を再確認する手順
- Wi-Fiを切り、有線LANまたはテザリングで接続を試す
- ルーターと端末を再起動し、キャッシュをクリア
- VPNクライアントを最新バージョンに更新
- VPNサーバーアドレスを再入力して再接続
✅ ポイント: 特に多いのが「IPv6のまま接続を試している」ケースです。VPN接続の多くはIPv4通信に依存しているため、IPv6を無効にして再試行するだけでつながることもあります。
VPNが不安定なときに見直したい設定
| 設定項目 | 推奨設定 | 備考 |
|---|---|---|
| 暗号化方式 | AES-128 | 高速かつ安定性が高い |
| VPN再接続設定 | 自動再接続をON | 切断時も即復旧可能 |
| DNS設定 | GoogleDNS(8.8.8.8)などを指定 | ネーム解決遅延を防止 |
⚠ 注意: 複数のVPNソフトを同一PCで同時に動かすと通信が競合し、接続が不安定になります。常に1つのVPNクライアントのみ起動しましょう。
通信が安定しない場合や設定変更に不安がある場合は、公式のサポート窓口で相談するのもおすすめです。法人契約では専用窓口が用意されています。
第6章|VPNが接続できない場合の問い合わせ先・サポート窓口



設定を全部見直したけど、やっぱりつながらない場合はどうすればいい?どこに相談したらいいのかな?



その場合は、状況に応じて「プロバイダ」「VPNサービス提供元」「機器メーカー」の3箇所に問い合わせるのが確実だよ。それぞれの担当範囲が違うから、順番に整理してみよう。
問い合わせ先の整理表
| 問い合わせ先 | 主な対応内容 | 確認しておく情報 |
|---|---|---|
| プロバイダ(So-net、BIGLOBEなど) | 通信制限・IPv6/IPv4設定・ポート開放の可否 | 契約プラン・利用中の通信方式(IPv6 or IPv4) |
| VPNサービス提供元 | サーバー稼働状況・認証情報の確認・アカウントエラー | 接続先サーバー名・利用端末・VPN方式(L2TP/IPsecなど) |
| ルーター/機器メーカー | VPNパススルー対応可否・設定手順・ファームウェア更新 | 製品型番・ファームウェアバージョン |
法人・テレワーク利用者向けの専用窓口
法人やテレワーク環境でVPNを利用している場合、auひかりでは「法人サポート窓口(KDDI法人お客さまセンター)」が用意されています。VPNトラブルやIP固定サービスの相談にも対応してくれます。
| 窓口名 | 電話番号 | 受付時間 |
|---|---|---|
| KDDI 法人お客さまセンター | 0120-925-055 | 9:00〜18:00(土日祝・年末年始を除く) |
| auひかり サポートセンター(個人) | 0077-7084 | 9:00〜20:00(年中無休) |
問い合わせの際は、次の3点をメモしておくとスムーズです。
- 発生しているVPNの種類(例:L2TP/IPsec、OpenVPN)
- 利用端末・OS(例:Windows11/macOS/Android)
- エラーメッセージまたは現象の内容(例:認証エラー、接続直後に切断)
⚠ 注意: サポート窓口に問い合わせる前に、セキュリティソフトを一時的に停止したり、ルーター再起動を試すと改善するケースもあります。まずは基本的な手順を再確認しましょう。
第7章|まとめ|VPN接続トラブルを未然に防ぐために



なるほど、原因と対策が整理できたよ。最後に、これだけは押さえておくべきポイントを教えて!



OK!VPNがつながらないときの多くは「IPv6による制限」「ルーター設定」「ポート閉鎖」のいずれかが原因だよ。基本を押さえておけば、今後のトラブルはかなり防げるはずだ。
本記事の重要ポイントまとめ
- VPNが接続できない主な原因は「IPv6通信の制限」と「ルーター設定ミス」
- VPNを安定させるには「IPv4(PPPoE)」接続が最も確実
- VPNパススルーを有効化し、L2TP/IPsecなどに必要なポートを開放する
- 法人やテレワーク用途では固定IP・法人回線を検討するのがベスト
- 困ったときはプロバイダ・VPN提供元・メーカーの順にサポートへ相談
VPNを利用する環境は年々複雑になっていますが、通信方式やルーターの設定を理解しておくだけでトラブルの大半は防げます。特にIPv6環境下でVPNを使う場合は、IPv4接続への切り替えを第一に試してみましょう。
通信回線や設定を見直すことで、VPNがより快適に使えるようになります。トラブルを放置せず、原因を一つずつ確認していきましょう。
読んでくれてありがとうございました。今後もみなさまのお役に立てる記事を書いていきます。よろしくお願いします。










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